うつつの切れっ端/
信天翁
闇夜のいろの登山服で
にびいろの舗道に落としてゆく
カルマの手形と
リグレットの足跡を
路面のくぼみはなにを呟いているのか
刺客が叩く太鼓の音を聴いて
路肩のあかぎれはなんと囁いているのか
侠客がつく鐘の響きを注がれて
あゝ 遂に 食品スーパーの店先で
測ってしまった
霊を生む混合物の重力と
魂をよみがえらす透明体の引力とを
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