受身だけでは勝てないぜ/木屋 亞万
い
既製品の服がどこか
身体に馴染まないように
受身でいることが
身体に染み付いているんだ
その苦しみをまるで
いまどき若者の苦悩のように
語っているけれど
全部自分のことなんだ
反抗期のない子ども
反抗に対する圧力を受けとめてしまった子ども
やさしさが自分を殺す方向へ使われてしまって
思いやりが自分をあとずさりさせていく
自分を探しなさい
自分らしさを出しなさい
そう言われたとき
ふり返った道の上に
自分がいなかった
私は今まで誰の人生を生きてきたのだろうと
そのとき思ったんだ
誰のせいでもないけど
私は今まで受身だったから
今日からは自分のやりたいように生きていくよ
それが我が侭だといわれようと
私はどんどん攻めていく
怪我を恐れていては
何事もきっと成し遂げられない
臭くても汗をかいて
辛くても歯を食いしばって
負けても足を止めないで
これは私の人生だから
いつかまた
後ろをふり返ったとき
今度はちゃんと私の道に
私が立っているように
走っていくって決めたんだ
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