詩の学校/服部聖一
自身にウソをつかない
言いたくない言葉は、回り道をして飲み込むだけだ
私は私を言葉で描き出す
言葉は、ぴよんぴよんと少し離れたところに飛んでいき
ちいさな水ノ輪を作り、波紋が重なって消えていく
重なりと拡がりの虚ろさが消えゆくまぎわに、水辺の香りがいつもある
私は冬の白い息のように声にする
少しドキドキするのだが
告白の瞬間のように、失うかもしれない不安と幸福が入り交じったものでは決してない
私はそこに大きな位置を見ない
私は消えていく白い息を眺めるように、形ではない私を見る
言葉の跳躍
遠くに飛ぶことよりも、たくさんの波紋が連なることが気持ちいい
私は、大きく息を吸う
そうして、ゆっくりと言葉を声にする
サイドスローでステップ踏んで
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