正反対のショートストーリー/AquArium
 

シャッターを切ったら
運命とか錯覚してみよう


―アルコールが染みた
 ぼんやりした視線の先に
 何を求めているんだろう
 って
 想像してみても分かんないや―


くすぶっている本能に
いつまで気づかないフリをするの
大切なことは唇の一歩手前で
消えてしまっていたんだ


まだ西通りまで引き返せる
のに動かない足


道草してどこか遠くへ行こうよ
小走りでもいいから
同じ目的地を目指してみない?
なんて夢のストーリー


合わせてくれない歩幅
弾まない会話
一切れ残したフランスパン
すべてが好きを自覚させる


正反対の2人はやっぱり
再会できないのかな
君は太陽へ行きたくて
僕は月になりたかった


青白い光へ融けてなくなる


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