夏の遠さ/塩崎みあき
 
している
あまえてる
全ておみとおしの
気付かないふり

あつい
あつい
お昼に食べた
シシトウガラシの事を
考えながら
日記を書きながら
テレビを聞きながら
眠りながら
腕は塩辛い

冷蔵庫の冷たいお茶は
いつも苦い味がした
勝手口が開いて
しらない手が伸びて
お茶はそうして
減ってゆく

はやく大きくなりたい
と思ったけれど
夏は
終わらない気がした
全てが
終わりない気がした
全てが
すべて

ばかりだった







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