境い目/すまめ
 
パイプで分断されて
その路には行きと帰りが作られた
そう思うのは僕が人だからか

老人がぐるぐる回っている
足 足 足 足 足 足

彼女は崖に足をかけて
割れた路の真ん中にたって
こちらを見てふっと笑った ような

坂のもと さかもと 坂の麓

決められた左側 踏み出す一歩は左足
右手が体温を忘れて 錆が寂しいってついてくる
あれを見てはいけないよ 
しゃがれた声が僕を誘う

坂の中 さかなか 魚の背中

いつの間にか海中
海の向こう
ここはそこ

パイプに貫かれた 笑った何か 僕にキスして 


・・・・・
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