君の世界の風下で/nonya
が回らない時
ときどき君の中の
ちょっと心配性で塩辛い雲が
にわか雨を降らせるけれど
いろんな所にぶつかりながら
僕も少しは学習したから
子供を手なずけるのも得意になったし
もう傘なんか差さないことにしたよ
君の世界の風下の
壊れかけたベンチに座って
読みかけの本の頁のように
そよそよそよぐのが
今は好きかもしれない
君の世界の風下の
手狭なベランダにたたずんで
着古したシャツの袖のように
はたはたはためくのが
今は好きかもしれない
今度の土曜日が雨じゃなかったら
君の世界と僕の世界が
新たに重なり合ったあたりに
青い花の種を植えてみよう
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