旅/yamadahifumi
我々が過去を振り返り
未来に向かって足踏みするのは
何故だろう?
人はリスクを恐れる、という
だがそもそも生きている事自体が
一つのリスクではないだろうか?
我々は滅びゆく肉体の上で
輝く精神を抱いている
それを物質に適用すると
始めて「物」ができる
そしてその物の内にまた新たな人が
精神を読み取ることで
「物」の旅は始まるのだ
我々もまた
旅に向かわなければいけないだろう
不断の精神を神と呼ぼうと呼ぶまいと
我々の旅は続くのだ
人々の声は聞くな 彼らは郷愁に駆られて
過去と死へと向かう一群の人々
我々は未来に向かって行こう
そこに何が待っているかは知らないが
今より良いものが待ち受けているはずだ
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