命脈/salco
 

雲海の下では軍隊が陣営を成し
街道の要所に配備されつつある
4月 異境の都に陽が兆す
周到に張り巡らされた雑音と沈黙の中
遠く離れて男は開花を嗅ぎ取る
彼こそはシガツェの院へのぼられるべき身
無量光仏(アミターユス)が化身、真なるパンチェン・ラマ
仕えるべき王も、御身さえもまだ知らず
5月 ダライ・ラマは語り続ける
あどけなく澄んだ目を以て
タルチョー(祈祷旗)を打ちはためかす風の中から
恐れるでない、チベットの民よ
いつか国は甦る、必ずその時が来る
必ず私はそこに戻る、私は常に共に在る



チベット暦は太陽太陰暦。閏月の挿入箇所により正月が1月〜3月の間で
毎年変動する。
亡命政府側の転生児は中国政府により現在も消息不明。死亡説(未確認)もあり。


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