気付かされたひと/恋月 ぴの
わたしだって一生懸命走っているのに
なんか自分だけ後ろへひっぱられてる感覚に囚われてしまって
一緒に走ろうねって誓った友達の背中が
だんだんと小さく小さくなってゆく
※
はじめはダイエット目的だった
いつまで続くかなと思いつつも買い揃えたランニングシューズ
あえてピンク色にしたのは初心者のつつましさ
近所の公園とかで走るまねしてると
けっこう様になってる気がした
会社の友達に誘われたランニングのイベントで
イケメンすぎるコーチに筋が良いなんて褒められたりすれば
まさに豚もおだてりゃ木に登るなんて
絵に描いたようなお気楽さは
色違いのラ
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