気付かされたひと/恋月 ぴの
 
わたしだって一生懸命走っているのに
なんか自分だけ後ろへひっぱられてる感覚に囚われてしまって

一緒に走ろうねって誓った友達の背中が
だんだんと小さく小さくなってゆく




はじめはダイエット目的だった

いつまで続くかなと思いつつも買い揃えたランニングシューズ
あえてピンク色にしたのは初心者のつつましさ

近所の公園とかで走るまねしてると
けっこう様になってる気がした

会社の友達に誘われたランニングのイベントで
イケメンすぎるコーチに筋が良いなんて褒められたりすれば

まさに豚もおだてりゃ木に登るなんて
絵に描いたようなお気楽さは

色違いのラ
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