静かな祈り/吉岡ペペロ
いっしょに食べたら
食べながらお話しできる
電話だとそれができなくなる
いや
できなくなる訳ではなかった
静かな祈りであることでしか
宇宙に存在できなかったのだ
花が咲いている
風に話しかけている
太陽に揺れ
星のしたでは休んでいる
朝の露に濡れ
・・・・
花びらを落とし
種を散らし
移ろいを繰り返している
その移ろいが
くらべるものなどない幸福であることを
いっしょに食べたら
食べながらお話しできる
電話だとそれができなくなる
いや
できなくなる訳ではなかった
静かな祈りであることでしか
宇宙に存在できなかったのだ
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