暗室/timoleon
それを目の前で見たとしたら
傾斜した繁華街のとりわけ地盤の緩んだ坂の下にビルディングの錯綜した影が幾重に折り重なる穴のような暗室でパーティーはそろそろお開きの準備という状態がもう幾年も続き、疲弊した兵士のように「終える」ことでしか現状が打破できないという不安と焦燥が濁ったまま喉元から煙のように立ち昇ると充満した頭の淵で時々十四時の破片が廻ると同時に人々も嘘のように廻るのです
主人公はスパイでないと退屈
ただしよくできたスパイは守秘義務にうるさいし
スケジュールが年内まで埋まっていたので
いつも失職したスパイに出演依頼をすることになります
光源を利用して 金縛りのよう
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