痛む時/そらの珊瑚
 
足が痛む時
私は足の存在を感じる
手が痛む時
私は手の存在をみつめる
心臓が痛む時
私は心臓の在処を想う
痛む時は
普段忘れているものたちを
思い出させる
誰かからの電気信号なのかもしれない
或は
身体からのメッセージ
もしくは
目覚まし時計の反乱

いい気なもんだよ
行きたいと願えば
いつでもそこへ行けるって?
歩いているのは
おまえじゃない
この足さ

心が痛む時
人は孤独な生き物であることを
思い出す
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