小さな窓から/yo-yo
小さな窓から
小さな部屋の小さな空へ
移りかわる日々
晴れた日は手さぐりの虚ろ
雨の日はとおい耳
風の日は過ぎていく水
暗い夜はあてどなく
ただ凍えている
小さな窓から
12月の雲
いずこへか魂をはこぶ
春の津波はなお
森の深くまで押し寄せてきた
吹きだまりには
落葉のやま
いまは雲の道もみえない
小さな窓から
小さな光
近いのか遠いのか
かすかに夢の声を明るくする
星の宇宙からノックして
光るものを言葉にかえるひと
小さな窓から
見つめつづける
戻る 編 削 Point(9)