師走のひと/恋月 ぴの
嫌なものはイヤ!
そんな思いと折り合う
でも、おとなの分別とかじゃない
ひとが生きるって
爪先から血が滲むほど世間ってやつにしがみついて
それで何とかまっとうできる
違うかな
※
だからって、いきがるわけじゃないけど
※
正直だけじゃ生きてはいけない
なので
ひとごとみたいに自分を生きる
なんか虚しくて
わたしだっていっぱしのヒロインになりたかった
みんなに認められて
みんなにうらやましがられてさ
みんなってのがキモなんだ
※
時代は常に移り変わって
あっというまに時代遅れになってしまう
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