師走のひと/恋月 ぴの
 
嫌なものはイヤ!
そんな思いと折り合う

でも、おとなの分別とかじゃない
ひとが生きるって
爪先から血が滲むほど世間ってやつにしがみついて

それで何とかまっとうできる

違うかな




だからって、いきがるわけじゃないけど




正直だけじゃ生きてはいけない
なので

ひとごとみたいに自分を生きる

なんか虚しくて
わたしだっていっぱしのヒロインになりたかった

みんなに認められて
みんなにうらやましがられてさ


みんなってのがキモなんだ




時代は常に移り変わって
あっというまに時代遅れになってしまう

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