【連詩】空を飛ぶより楽しいこと/メチターチェリ
 
僕は偉くなりたかったのだ。無敵で、黄金で。野原に独りでたつ風車みたいに清く正しく。あるいは、おおきなメダルをさげて、僕はあなたちの守り手に。なりたかったのだ。そして明日に咲く花を収集して、素敵な名前であなたたちを、名付けたかったのだ。

持て余しているのは何だったのか。みずうみのほとりに一軒の小屋がある。まるでヘンゼルとグレーテルが迷い込んだことがあるような。そこでは〈鯉〉が〈恋〉に進化するための科学実験が日夜行われていたのだ。師走のたそがれ。

たぶん僕たちはどこに行ってもどこにもゆけなかった。感情を漁っても、井戸を掘っても、飼い犬をいじめても。僕たちは僕たちが吸った、たくさんのたばこの
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