人は咲いている 虹色に/
るるりら
おり、
おなか側の影は 赤みがかかっている
体温の放射が激しい側面とそうでない側面
まるで虹のような配列の光を 弟の影に 姉は見るようになった
そして しばらくすると 姉は弟にだけではなく
あらゆる人の影の周辺に 虹色を 姉は見るようになった
ほかの人には見えてないらしい
蝶は白い花の中央に花の在処をみつけているという
姉は人のくらい影に 虹色の体温の在所を視るようになった
人の持つ蜜
日の光に透かしてでしか それは見えない
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