よるさえ/IMAGAMIMAGAMI
冷たさの切っ先を研ぐ月光へと
自殺志願者の息が首をもたげる
いっとう美しい行いの後も
彼は彼のまま生きるだろう
あぁ穴だらけの空が光っているよ
サナギではないというのに
殻である表情はひび割れ気味に画一的に整って
夜になれば中身のどろどろを
少しの衝撃で盛大にぶちまけそうなリーマン
あぁ穴だらけの空が光っているよ
煌々と照るビルを後にして
家の明かりを点ければ僕という
交わりのない一本線の星座ができる
一日で完結する世界にも
あぁ穴だらけの空は光っているよ
それが全てだよ
ボロ布を纏った空は
やがて夜のまま朝を迎える
不完全同士が集まって
完璧な世界を目指すのだろう
あぁ穴だらけの空が光っているよ
しづかに
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