さみしいさみしいさみしい/うめぜき
 

さみしいさみしいが
毛穴という毛穴からにじんで
コンクリートの路地や
木造の二階建てや
塀の上の猫まで
とにかくもろもろのものをさみしいさみしいの中に
沈めていって
やがて太陽がさみしいさみしいに沈みこんで
真っ暗になると
わたしはぼろぼろと涙を流すのだった

すると涙が落ちた地面では
ふわりとさみしいさみしいがほどけて
その雑草やらコンクリートやらが少しむき出しになったが
またゆっくりと地面を覆う
さみしいさみしいと言いながら

わたしはいっぱい泣こうとする
泣こうとして
さみしいさみしいさみしいとこぼす
さみしいさみしいさみしいと伝えたいとおもう

[次のページ]
戻る   Point(6)