もしもわたしに娘がいたなら/ただのみきや
 
  冬の陽ざしは微笑みのよう
  内にこもった人にさえ顔を上げさせる

  たわわに実ったナナカマドの木の下を
  赤いランドセルがかけてゆく
 
  もしも私に娘がいたなら
  こんなにもあたたかな赤は
  生涯色あせはしないだろう

  やがて忘却の齢となり
  多くの荷物がほどけても
 
  やさしい気持ちになれる色
 
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