鼻唄 ー道9ー/……とある蛙
 
ない
いずれにしても独りぽっちで歩いているのだ

周りには誰もいない道を

独りぽっちで歩いている
その先には誰もいないが
きれいな煉瓦の並木道
脇から眺めていると申し分のない景色だが
煉瓦道は微妙にうねっていて
しかも凸凹なのだが
外目には綺麗に舗装されているように見える

それに気づいていても歩いている
実際は煉瓦の隙間から
何かが覗いているのだが
下から覗かれながら
このまま そのまま 歩いている
鼻唄まじりに歩いている。


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