痴呆の季節/
乾 加津也
と事切れた
これからを
充電をはじめるまでを
痴呆の季節と呼べるだろうか
襟を正すテクノロジーは
永遠からも貶められる
繁茂した
言葉(きごう)の気根に見放され
これまで一度も袖を通したことのない
みずからの
末梢神経をひらきつつ
言 葉 が ど こ に あ る か
言葉の余有素(りんかく)が天窓からふりそそぐ
のか
向き合う
わたくしに
滑り台の R のように
ささやくように
傾くように
戻る
編
削
Point
(17)