虚しい夢は消えてゆく/
ただのみきや
疲れがたまってくると
虚しい夢が多くなる
また一つ 生まれては
滅んでゆく世界
砂の城に波が打ち寄せるように
香のけむりが描ききれなかった面影のように
溶けてゆく
記憶の淵へ
さようなら 幽霊たち
真昼の月のようではあっても
おまえたちには空がない
わたしは夢たちの墓
帰ることのない
風の中の声
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