それが余震なのかもわからない/rabbitfighter
室に
ひび割れた壁とドラクエの宝箱の鍵のような鍵
テレビの中で燃える工場
東京湾を縁取る炎
つながらない電話
つたわらない会話
だけどそれらが余震なのかもわからない
希望としての嘘と
ごまかしの為の嘘が
錯綜しながら渦巻いて見分けがつかない
割れ落ちた窓ガラスを迂回して歩く
家路へと続くと信じたい道を歩く
長い人の列
恋人からメールが来て
前の恋人からメールが来て
前の前の恋人からメールが来て
東京わん子ちゃんからもメールが来て
それからみんながつながろうと言い
それからみんながたちあがろうと言い
つながろうとするたびに地面が揺れて
たちあがろうとするたびに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)