今日という日は死ぬけれど/ただのみきや
傷だらけの携帯電話を見ながら
明日のことを思いめぐらす
不利な戦いになる
このまま今日が続くなら
偶然とは理由がわからないだけの必然
真夜中に白い氷が降りはじめると
唇からいつものメロディーがこぼれ
絞め落されたように眠るだろう
一瞬 時が止まるころ
誰かの夢の中で脇役を演じているが
夜明けはそっと忍びより
あっという間にすべてを剥ぎ取る
もうまぎれもなくおれは明日
結晶化した人格を竜巻が迎えに来て
目まぐるしい砂粒となって街の獣たちの脳裏に地図を描く
天地は反転し 人の性は
無機質な理想郷の地表にまで届くだろうか
明日になる今日は昨日になり明日は今日になる
おれは過去の夢
現在の幽霊
未来の子供
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