エドワード/寿
高すぎる体温に
個性と呼べるものは
蒸発した香水の残り香くらいで
くゆらす煙草の煙は
押し黙っていく冬の花みたいに
ただ気だるいだけの眠気を誘う
単純な計算
すべてのものを
ゼロと少しの美しいもので隠そうじゃないか
春が来るころには
たぶんもうここにいない人がいて
それでもまだ笑いあおうともがいたりして
人間て悲しいよなと思うのは僕だけ
そのカメラには違うものが映るのかい
境目には愛があって
それが見えるのは不快な解
いつか見たいと思うけれど
もう少し優しくならなきゃきっと見えない
忘れるな
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