クロスロード2/……とある蛙
本当に魂は無いはずだ。
それを黙って契約し
だから悪魔にディスカウント
平凡な毎日で
決して富豪でも無く
まして権力者でも無く
特に称賛されることも無く
著名人でも無く
新聞記事になるようなことも無く
結局、尊敬はされなく
後ろ指指されることも無く
なんとなく恋愛し
なんとなく結婚し
そろそろ孫もできて
このまま、なんとなく往生するだろう
俺は魂を売ったのだが
……
俺は悪魔に魂を売ったのだが
……
あの交差点での契約は
何だったのか
その時、俺は気づいたのだ。
今意識が遠のいている。
今になってやっと気づいたのだ
悪魔は俺の希望
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