懐かしき恋人の歌/梅昆布茶
 

ふと目に止まった街角の後ろ姿に

雪が降り積もってゆくように君の横顔がかさなる


自分を愛せない僕はずいぶん君を困らせたものだ

喪うことを怖れてばかりの心を隠せなかったし

ずいぶん無理も言ったね


怒涛のように日々は過ぎ僕はずいぶん遠くまで

流れてしまった


もういいよって君が言った日をおぼえているかい

僕はありがとうとしかいえなかった


あの日も木枯らしが吹いていたし

君のタータンチェックのマフラーが暖かそうだった


僕は今でもときどき口ずさむのですよ

君に教わったメロディーを


切ないラブバラードの一節を空に向かって

ひょっとして君に届くかもしれないと思いながら


君が楽しい夢の続きをずっとみられるように

祈りながら
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