探索/葉leaf
 


すこやかな悪魔が科学の哀しみをそぎ落とす、見下ろす風景に書かれた哲学を精密に削り出している。緑色の空の稜線を白い葉が伝っていく、清潔な堕天のおしゃべりに体積をついやしている。悪魔はしなやかな指先で倫理のつめたい額に触れた、過ぎ去ってゆく空間の筋をほどいて、神への恋慕を背中から生やしたままで。



疲れていた。思い出すのはこどもたちの着地の描いた青い球体だ。光りすぎると影の置き場所を間違えかねない。疲れていた。あらゆる信号の替わる音がおびただしく聞こえる。あの夕日は赤信号が集まったものだ。疲れていた。波の化石を睫毛に絡めて海の死体を見下ろしていた。腐敗する海流の無数の先端が思想
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