祈り(連詩)/ことこ
る、やさしさはなにも、盲目のように、あなたはやさしい、かった、カスタネット、みたいに、どうしようもなくまた、音が合わさるたびに、音階が上がる、まるで、初めての音を鳴らすように、何度も、繰り返される、瞬き、瞼の裏で、くらやみが、ひろがる
そこは宇宙だった、ほしぼしが瞬き、そのたびにまたひとつ、小数点がこぼれて、わたしたちまたひとり、ひとりひとり、ふるえるくらいに、ふるえて、またふえる、ほしぼしの、あいだに、やどる、おおくの、かがやきのうちに、おちたままの、わたしたちがぶんかいされて、また、つくられた、たべる、くちぐちに、この、あれた、ふゆのきせつを、いのっている、ふたりになるまで
戻る 編 削 Point(6)