さよならパリ??高塚謙太郎とボードレール/葉leaf
うど真上に、手にした武器を垂直に投下した。一撃の下に硝子屋はその場に転倒し、行商用の大事な財産が、全部、彼の背中の下でこっぱ微塵と崩れ去った。
(『パリの憂愁』「不都合な硝子屋」)
庭師を夢見ている、乱世の庵で。短刀を持ってくるものを一斬り、返り血浴びる、反物を持ってくるものを一縊り、梁を傷める、杳く日々を喰らう、そういう人に私はなりたい。
(『さよならニッポン』「黄金」)
ボードレールは、倦怠と夢想の発するエネルギーに従って人生を美しくするためにこのような突発的な攻撃性(ガラスを割ること)を示したと言っている。つまり彼は、詩の内
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