さよならパリ??高塚謙太郎とボードレール/葉leaf
0.はじめに
心斎橋を歩いていると、すれ違う人々の肛門の悉くに言葉の端子を捻じ込んでやりたい衝動に駆られることがある。(中略)だがその無数の肛門に捻じ込みたい言葉は、なぜか優しさに満ちている。
(『さよならニッポン』帯文)
高塚謙太郎の詩集『さよならニッポン』(思潮社、2009年)は、このような(1)攻撃性(肛門に言葉を捻じ込む)と(2)残酷さ(そのことを意識化し文章化する)、(3)愛情(言葉の優しさ)に満ちた詩で構成されている。ここで「残酷さ」とは攻撃を意図的に行っていること、つまり攻撃に故意があることを指す。無論この三つの特徴だけで高塚の詩を語れるわけで
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