理想は崩れ去る運命/
徘徊メガネ
こんなにも焦がれた
秋の黄や茜や擦れた緑は
「それらに不必要な色なんだ」と
中学の頃 化学の教師が親切そうな顔で言っていたのを何故だか思い出していた
あんなにも愛でていた色は
命の光彩でも神秘の光景でも無く
吐き返された廃光だったんだ
そう 何故だか思い出していた
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