自由詩1/相田 九龍
 
一番遠くに見える山に架かってる吊り橋の揺れる音
手のひらからひたひた零れ落ちる水
あたたかい心

背中の電気信号が乱れて
冷たい血が巡る
指先で描く文字
僕の可哀想な恋人


一番遠くから聞こえる声の意味
聞き返した頼りない声
零れ落ちる水
段々溢れた
段々溢れた


止められない止められない止められないものしかないように見える
誰か、ばっかりの世界で育って
誰か、なんていない世界の中で苦しんで
みんなが槍と盾を持ってる、当然か、当然だ
ありがとうありがとうって咽び泣く声
行かないでって声にならない声
揺らいで笑顔、途中で(飛び散る血、ゆっくりと流れる血)

途中で出会った
ありがとうって言えた
ようやく分かった
そんな気になった
そんな気にもなった
なんにも出来ないって分かった
ありがとうって思った
最後に消えるだろう
でもありがとうって思った
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