デート/はるな
 
というものは同時並行的にいくつか存在する可能性があるけれど、君はひとつだけだ。君の手も、足も、胸も、頭も、ぜんぶひとつだけだ。ここにあるだけだ。どの時間にも君はひとつしか存在しないんだよ。それが君の強みだ。ここにいる君を守れば、君は失われない。君が時間のどこかで方向がわからなくなってしまったら、僕は君を探す。僕はきっと君を見つける。そしてこの時間まで引っ張り上げて、また波に乗せるんだ。」

「・・・わたしにそれができるかしら・・・・」

「それが難しいか、簡単か、僕にはわからない。僕は実際まだ、すき間を意識したことはないから。でもいいかい?帰ったらカレンダーにしるしをつけるんだ。十日後の、
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