デート/はるな
「わたしはそのうち一秒と一秒のすき間に落ちてしまうかもしれない。」
「大丈夫だよ。一秒と一秒はしっかり手を繋ぎあっている。たとえもしも君がそのすき間につまづいてしまったとしても、またすぐに同じ時間に戻ってこられる。」
「じゃあ、十分の一秒と十分の一秒の間は?
百分の一秒と百分の一秒の間は?
千分の一秒と千分の一秒の間は?」
「きりはないのよ。すき間は存在する。誰も見たことがないかもしれないけれど、確実に存在する。そしてわたしはそのすき間に落ちてしまいそうな気がする。」
「工夫しよう。君がそのすき間に落ちないように、あるいはすき間が君を捕らえてしまわないように、工夫し
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)