川沿いの聖堂/コーリャ
テンドグラスが聖母の顔の輪郭を探している。アルコールで建てられた塔たちはお祭りを囲んで照らす。仮面をつけた男女が入り乱れて新しい色を発明していてる。葡萄畑まで祝祭の火が舞う。口元から零れた色水の数滴が、開かれた白い胸で柔らかに着地する。誰かがなにか叫んでいる。酒盃の縁が薬指で弾かれたら、シンバルが砕ける音がして。魚みたいに泡を吹いて倒れたひと。戯れに尖塔の鐘を突くひと。などをない交ぜにする不吉な音楽の。
糖衣を一枚はがしていくと、便所にこもったままの男がずっと手を洗っている。
友達は知らない女と葡萄畑に消えた。闇の奥を冒険するらしい。どこかで怒声がして、夢の水面から鳥がひとなぎで
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)