ノート(糸水)/
木立 悟
とどまらせようとするかぎり
けしてそこにはとどまらない
手をとり 馳せる
見えない姿
見える意思
ほぐしても ほぐしても
つむぎあうもの
暗い光の
いちばん近い雲から
淡い匂いの水滴が来て
ひろく ひろく
つながりながら
空に泣くすべてのもののための
飛べない羽衣になってゆく
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