降り来る言葉 LV/木立 悟
 
花である花
空と指のあいだの水銀


巨大な波が
ふりかざされたまま凍っている
小さな手は祈るのをやめ
夜のうしろへ走り出す
鳴らすもの無く鳴らされる
鐘の音に鐘の音に染まらぬうちに


生まれ 倒れる星の数だけ
水底を削る轍の数だけ
名を持つものは名を忘れ
海に降りつづく雨を見つめる
海に降りつづく雨を見つめる
























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