毛色/salco
のぞみ126東京行き
名古屋から乗り込んだデカ目と太目
ジョーシとブカは帰路を本部長の噂
子のサッカークラブ
プロジェクトと社長の意向
途切れがない
そして同時に立ち上がり
喫煙ルームへ連れ立つ、
あ・うんの呼吸
しかる後はあ・はいの呼吸
力づく連帯の手枷にもはや
ストレスも感じない
斜め前には
ネイビーブルーのボーダーポロに
釣り人みたいなキャップを被り
ナイロンのボストンバッグを足元に
マナーモードにせず何度も取り落とす、
ケータイにかかって来る分すべて出る
赤黒く酒焼けしたおっさん
にわかせんべいの意匠そっくりな目で
一席置いたユースケ・サンタマリア似に
話しかけてはガン無視され、
それで再び眠り込んではアーとかウーとか
大寝言を吐いて目を覚ます
このおっさん以外の乗客は
半ばロボットなのだろう
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