嘘付き/ala
 
貴方の腕に収まってしまう程の
小さな背丈に、細い首

髪から香るのは、柔らかなシャンプーの薫り
甘い体臭に交じって、あなたは柔らかな身体を抱きしめる

そして、蛍光灯に照らされ天使の輪が浮かぶ髪を指先で弄り
グロスで光る桜色の唇を奪って行く

「リップクリームにしない?俺この味好きじゃないんだ、グルメだからね」

なんて、グロスで光る唇で笑う貴方は酷く可愛かった。




そんな空想の私を愛する、貴方には
素顔の私なんて、魅力がないのでしょうね

そして、そんな貴方を愛している私は
けっして貴方には暴けない闇を抱えるのです。


貴方は幸せだと言うけれど、私は苦しい。

幸せに押しつぶされる前に、幻滅される日を夢に見て
不安に押しつぶされるのです


嗚呼、人はこれを禁断の果実というのか


私は、何時林檎を食べたのだろう。


「昨日の朝、うさぎさんにして食べたわ」



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