伏流、または地平について。/DNA
 
な河ができる。その河の流れは、いったん地平のしたに流れ込み、伏流となってわたしたちの現実、わたしたちの生活のほうへと溢れだす。そう、つまりスクリーンのうえで生きられ、呼吸されたものが、こちら側まで、スクリーンのそとまで滲みで、劇場を出てもわたしたちを放さない。その時、たぶん路上の風景も違っている。

それは、単に映画のなかで、9.11についてインタビューに応える男のシークエンス(この場面での、受け応え。例えば「死んだひとを愛し続けるのは難しいと思う。だって、死んだひととはもう二度とことばを交わせないから。」ということばは、映画の重要な伏線であり、わたしたちにとって重要な伏流だろう。)が挟まる
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