海の駅/天野茂典
 
  

   海峡を雲が渡ってゆく

   
   なにか忘れ物でもしたように
   影が海原を走る

   遺失物は交番でもみつからなかった
   自分が自分の塊であることをとうに忘れて


   (雲は水の夢はみない
   (水蒸気の夢も 大気の夢も



   かつてどこにいたのかも


        
             2004・11・24
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