青い鳥/るるりら
 

食べながら 死んだ
オスが けたたましく ないた
あれは 小学校の入学した日
祝いの赤い リボンを ちいさな母に ささげた

そして わたしも いづれ親になった
籠の中で子育てをしているようだった
わたしも 姉妹のこどもを 抱いた
言葉が削れて 獣になった
新鮮な命は爆発だった
磨耗と焦燥 欠落と
母って なにさ
十姉妹の母が子を食べた
そんな気持ちすら解る自分を憎んだ

そこに
叔父さんが 子供の髪の毛で筆を作りたいと
言ってくれた
わたしは ひとりじゃないんだなと 
やっと わたしは人の心を
つないだ


その叔父さんは逝った
夏に 退院して 自宅にすこしの間 帰っておられたけれど
それは 青い鳥の 巣づくりのようだった
隣の幼い子に習って風船蔓の種のハートの形に
笑っていた あの叔父さんが

青い鳥が
空に
帰ってゆく
青い鳥は
捉えてはいけない
あれは
飛びぱなしでないと


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