底無し/マーブル
は枯れ葉の落ちる音しか
覚えていない
太鼓の鼓動は
墨汁のように
ひとつ
またひとつ
零れて
子宮の奥に
届きそうで
少しだけ怯えてゆく
やがて錆になる
肉体の遊戯は
黒い靴を履いた
天使になるのだろうか
ちいさな狐火が
点在している
歪んだ波紋
混じり合う輪を
眺めている
冷めた眼のわたし
頭上に降り注ぐ
星空がぼんやりと
映し出された
限界を知れば
わたしは無になる
そう確信できている
渇いた喉で
どれくらい
耐えられるかは
死んでも
考えたくないけど
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