自転車、僕が手のひら一杯に握れる程度の永遠と、白夜。/雅寛
ある晴れた夏の日、
太陽の日差しに照らされ、体を焦がす。
そうだ、君と約束していたんだ。
慌てる様に君の待つ場所へ僕は急ぐ。
学校はもう終わっていて、
僕等は夢に帰らなくちゃ。
君が自転車に乗って待ってる。
とっても嫌な朝を迎える。
君を忘れてしまいそうで恐いよ。君という性が、女の子が好きなんじゃない。君が好きだから。
自転車の輪はカラカラ回る。
僕が後ろで(何で後ろなんだろうね。)、君が前で。
夏の太陽の下、何処までも行ける気がして。
ああ……。溢れて夢みたい。
太陽が熱すぎて、僕はクラクラ。
目眩がするよ……。
「性別がなければ僕等は出会わなか
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