この悲しみを/短角牛
 
この悲しみを 言葉にして誰かに伝えられる

そんな俺なら 悲しいはずもなく

目の前に 只只矛盾が横たわる

人肌の温もりは 忘れさせてはくれるけど

覆水盆に返らず 源は変わらぬもの

私は誰ですか

問いかけて

自分の在処を見失った男に

返す言葉などあるはずもない

眈々と 人生の安寧を求めて

川の流れは緩やかであれ

私の命は 意味がないことに意義がある。


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