柵のお手入れ/千波 一也
 

かわいい鳥を囲うため
さくさく柵を
取付けて

だいじな獣を囲うため
さくさく柵を
取付けて

ときどき
強度が気になって
ときどき錆が気になって
色や模様も
気になって

さくさく柵を
お手入れしては
鳥や獣の目に囲われる

それでも人は
主従の構図を信じ込み
柵の手入れを
怠らない

利口な柵に
気がつかない






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