夕暮れの空地/キメラ
おいかけた幼少の
灰色になった人達
行進していたこの番地には
名前も無くて
君がさがしてくれたものと
よく似ていたけど
僕はいくつも咳をしていたから
ほらもうすぐ泡になるから
いつだって僕はここにいて
思い出しながら繰り返したから
泡になって
消えて
お母さん
おしえてほしい
あの頃のように
空地からは夕暮れ
夕食をせかされる
だいすきな寂しさの終点で
いつだってその掌にふれていたから
もうかえってくれ
俺がひとりではこぶ
ぜんぶはこぶから
それ以上
さわらないで
くれ
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