建国記念日さんと星座/ズー
そのままにして、町の雪のまっしろを蹴飛ばしていた、6歳くらいの影たちが溜まりになって、新雪のかぶさる雪を転がしたり、溶かしたりしている。除雪車の大群のおしゃべりが続いている国道や、農道を、なぞるように星を見つけた、いくつもの足跡があたたかいまま、また、しろく積もり、溜まりになっていた影たちの散り散りに帰っていく町にも、星は落ちていた。軽くなって遠くなる空のはなし。を。もうすぐてっぺんにつく観覧車の向かい合わせに座り話した。聞こえないのか聞こえないふりをしているのか、私の話し相手はそういう女になるらしい建国記念日さん、黙って外を見ている。目線の先、硝子に指を押しつけて、こんなとこにも空があるんだねって言ったあとに、私も、星座を探すことにして、黙ったまま。息もしろく。
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